健康維持のために知っておきたい糖尿病とその治療法

糖尿病とは

 糖尿病とは膵臓で作られる血液中の糖を分解してエネルギーに変えるホルモンであるインスリンの働きが弱くなり血糖値が上がってしまう病気です。

糖尿病を診断基準の数値

糖尿病の診断には、血液検査で次の4つの項目を測定します。

  • 早朝空腹時血糖値早朝に(8時間以上の絶食後)採決した時の血糖値   

   ①早朝紅福治血糖値が126mg/dL以上

  • 75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT): 75gのブドウ糖水などを飲み、その2時間後に採血した時の血糖値                                            ② 75gOGTTが200mg/dL以上
  • 随時血糖値:食事の時間と関係なく採血した血糖値            ③200mg/dL以上
  • ヘモグロビンA1c(HbA1c): 過去1~2か月間の血糖の状態を示す値  ④6.5%以上

  初回検査で①~③のいずれか+④

       ①~③のいずれか+典型的な糖尿病の症状または糖尿病網膜症

  上記の場合糖尿病と考えられる

  また、別の日の検査

       ①~③のいずれか+④

        ①~③のいずれか

       ④のみ

  上記の場合も糖尿病と考えられる

       初回も④のみであった

       ①~④のいずれでもない

  上記の場合は「糖尿病の疑い」となります。

 

 

糖尿病の怖さ

 糖尿病の怖さは合併症にあると言われます。病院で糖尿病だと診断されても、初期にはあまり自覚症状がありませんが、数年から10年程度放置しておくと非常にに恐ろしいさまざまな病気を引き起こします。

その代表が、3大合併症です。

 糖尿病の主な合併症

  • 糖尿病性神経障害:                               高血糖の状態が続くと、手足の血行が悪くなり、神経障害が起こります。しびれや感覚の鈍りなどに始まり、悪化すると壊疽を起こし.下肢切断の危険も生じます。

  • 糖尿病性網膜症                                血行障害から眼底の血管が詰まり視力の低下から、悪化すると失明状態にいたります。中途失明の原因の第1位は、糖尿病によるものです。
  • 糖尿病性腎症:高血糖のため腎臓のフィルターがつまり、血液のろ過がうまくできなくなり、悪化すると人工透析が必要になります。糖尿病が原因の人工透析患者は、毎年1万人ものペースで増え続けています。

 

糖尿病の治療法

  • 1型糖尿病:インスリンが枯渇してしまうため、インスリン注射によりインスリンを補充し続けることが必須になります。血糖を安定させるためには食事・運動療法も重要です。

     

                                    
  • 2型糖尿病:インスリン分泌低下と、インスリン抵抗性により発症します。肥満しているようなケースでは食事・運動療法で体重を落とし、インスリン抵抗性を解消することが重要で、これが動脈硬化の予防にもつながります。食事・運動療法で十分な改善が得られない時は薬物療法(経口剤、インスリン注射)もおこなわれます。2型糖尿病は、血糖が高くなるとインスリン分泌・感受性が低下して更に血糖が高くなるという悪循環(糖毒性)に陥ります。その糖毒性を解除するために、一時的にインスリン治療を行うこともあります薬物療法を行う時も食事・運動療法が守られないと、体重増加からインスリン抵抗性・動脈硬化を助長するおそれがあります。